はじめに
指揮者のいないオーケストラ
私たちが暮らす日本には美しい四季があります。
循環する自然のシグナルに意識を向けてみると想像を超えた世界がそこにあることに気がつきます。
春、太陽の光の暖かさをより強く感じる頃、大地に意識を向けると、
地面に張りついていたタンポポたちの花が一斉に黄色く輝き、
雑草として普段脇に置かれるような草木たちもみるみる成長し、緑の景色が一気に広がっていくことを感じます。
遠い南国からは、ツバメたちが脳のスイッチを切り替えながら一睡もせず海を超えて帰ってきます。春の花に魅せられたミツバチたちは、高度に組織化されたシステムの一員として活動を始めます。桜の木々は、私たち人間の期待に応えるかのように、見えない指揮者の合図に合わせて一斉に花を咲かせます。
額に汗が流れ始める夏、
選ばれし蝉の幼虫たちは、長年暮らしてきた土の世界に別れを告げ、絶妙な夜のタイミングで地上に這い上がります。
静かにゆっくりと茶色い殻をやぶり、エメラルドグリーンに生まれ変わった姿で羽を広げ、
最後の使命に向かい羽ばたきます。
朝晩に少し寒さを感じ始める秋、
金木犀(きんもくせい)や銀杏(ぎんなん)といった秋独特の重厚な香りが風に乗ってやってきます。
そして、雪がしんしんと降り積もる静寂の冬の世界が訪れ、大地は静かにエネルギーを蓄えてその場にたたずみます。
自然界の振る舞いは、
まるでオーケストラのように寸分も狂わず、一斉に同じタイミングで自然の協奏曲を奏でます。誰かが指揮者として合図をしているわけでもなく、説明書があるわけでもありません。
そこには人間の想像を超えた叡智が存在し、自然という天才だからこそなしえる技とも言えるでしょう。
オンラインによる新たなつながりと分断をもたらした現代。
私たちは身近にあるこの大いなる自然の存在に意識を向けられているでしょうか?
普段の日常生活の中から五感を開放し、自然と繋がり、
そのメカニズムを紐解くことで私たち人間社会は何を学ぶことができるのでしょうか?
一般社団法人バイオミミクリー・ジャパン
代表 東 嗣了 Hideaki Azuma
What is biomimicry?
循環再生型の社会に向けて、単に私たち人間社会の便利さを追求するために自然界の智慧を利用するのではなく、38億年の長い年月で培った自然界の存在と叡智に敬意を払い、学ばせて頂くことがバイオミミクリーの本質です。
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バイオミミクリー・ジャパンは、代表 東嗣了の一般社団法人設立に至る想いストーリーから始まりました。理念に共鳴する仲間と共に、世界とのつながりの中でグローバルネットワークにも参画しています。
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バイオミミクリーを学ぶ具体的なアプローチをご紹介。3つのプリンシプル(原則原理)から、持続可能性と人と自然とのつながりを取り戻すことを明確な目標とし、インスピレーション、アイデア、教育に重点を置いています。
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